診察のとき、胸や背中をトントンと叩く「打診」は、オーストリアのアウエンブルッガー医師が発明した診察法。

彼の実家は宿屋兼酒屋で、父親がワインの入った樽の残量を調べる際、トントンと樽を叩いていたのを子供の頃から見ていました。これを人体に応用したのが打診法で、叩いた時に生じる反響音で臓器の状態を知るのです。例えば、正常な肺は空気で満たされているのでコーンと響きます。心臓や肝臓は細胞と血液が詰まっているからコツコツと鳴ります。多くの場合で、異常が生じると鈍い音がするといいます。
医者は、こうした微妙な音の差を聞き分け、各器官の異常を診ています。
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